全校朝会(校長室より)
2025年6月11日 14時00分毎回全校朝会の前には、話の内容を考えるだけではなく、伝える手段も一緒に考えます。1年生から6年生という語彙数や理解度が大きく異なる子ども達に、考えてほしいことや知っておいてほしいことなどをどのようにしたらわかりやすく伝えることができるかと考えると、言葉だけではなかなか難しいと感じています。ですから、全校朝会では、スクリーンを使ったり(大谷選手の曼陀羅チャートなど)、実物を見せたり(コロンブスの卵の「卵」など)、先生方に演技をしてもらったり(三尺三寸の箸など)することがほとんどです。(とはいえ、しっかり落ち着いて話を聞く姿勢も身につけてもらいたいので、あえて言葉だけのときもありますが。)
昨日の全校朝会では、物とスクリーンを使って、子ども達に話をしました。
クイズの1問目は、「お菓子が入っているのはどのカバン?」でした。お菓子の入っているカバンを3回見せましたが、子ども達が見ていいのは1回だけでした。1回目に目をあけた子ども達は一番左のカバンを、2回目に目をあけた子ども達は真ん中のカバンを、3回目に目をあけた子ども達は一番右のカバンを見ました。
さて、どのカバンにお菓子が入っていたでしょうか。
正解は...A!...で、B!...で、C!でした! 実は、A・B・Cは同じカバンなので、どれにもお菓子が入っていたのです。子ども達には3回とも同じ物を見せたのですが、見せる面をかえてみたのです。歯磨き粉のチューブのような形をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
この話以降も、いくつかのクイズを出しながら、同じものでもちょっと見方をかえると違うものに見えてしまうことがあると話をしました。5年生の国語の教科書にも「ことなる見方」という単元があります。そこでは見方の違いに気づくことがわかり合うための第一歩だと筆者が言っています。私もそう思います。自分の見ているものだけが正しいのではなく、見えてないこともあるし、間違って覚えていることがあるかもしれないから、自分だけが正しいと思わないで、人の意見もしっかり聞いたりするといいねという話もしました。他人の意見や考えを聞くのは大事で、新しい見方や、考え方ができることや、人が自分と違う考えを持っているのは、おもしろいし、学級にいろんな人がいるのは楽しいということ、自分と違う考えの人を簡単にだめだと言ってはいけないということがわかってもらえればいいなと思います。違う考えを面白がれたり、どうしてそういう風に思ったんだろうと考えてみることができたりする柔軟性があると、より自分の世界が広がります。
自分も正解、他人も正解。みんながお互いに認め合えるうちのっ子であってほしいと思います。
これも子ども達に出したクイズの一つです。右の玉と左の玉の色についてです。左の玉の色と左の玉の色が違って見える人がほとんどだと思います。
しかし、この玉は、同じ色なのです。おもしろいですね。子ども達も素直に「えーっ?!」と驚いてくれました。